第99回 AEWV大改悪!ビザ短縮、英語力証明が必須に
今回の大改正で多くの方のAEWV申請が難しくなってしまいました。
優先政策にも挙げられなかったのに突然のビザルール改正
Accredited Employer Work Visa (AEWV)の改正が近々行われるとの大臣発表から1ヶ月。向こう3か月で優先的に実現を目指すことを目標とした連立政権の36のアクションプランの中にも移民関連の話は一つもなし。(Beehive、4月2日) そのようなこともあり、移民政策についてはしばらく動きがないのかなと思っていました。
しかし、昨日日曜日の4月7日に突然AEWVの大改正についての発表があり、猶予なしのビザルール改正の即日施行となりました。
しかし、昨日日曜日の4月7日に突然AEWVの大改正についての発表があり、猶予なしのビザルール改正の即日施行となりました。
ビザ発給期間が3年間も短縮
今回の改正で一番打撃を受けることが予想されているのが、ANZSCOのSkill level 4または5、いわゆるlow skilled Jobsと言われる職種でAEWVを申請予定の方です。
まずビザ発給期間についてですが、4月6日申請完了分までは、時給が中央値(現行$29.66)以上であれば、Skill levelに関わらず、基本的に最大5年間のビザが発給されていました。しかし、4月7日申請完了分より、例え時給が中央値以上だったとしてもLevel4と5の職種については、基本的にビザ発給期間は最大2年に大幅短縮。その後ビザの延長をした場合でも1年のみの発給で、トータル最大3年しか滞在出来ないことになりました。
まずビザ発給期間についてですが、4月6日申請完了分までは、時給が中央値(現行$29.66)以上であれば、Skill levelに関わらず、基本的に最大5年間のビザが発給されていました。しかし、4月7日申請完了分より、例え時給が中央値以上だったとしてもLevel4と5の職種については、基本的にビザ発給期間は最大2年に大幅短縮。その後ビザの延長をした場合でも1年のみの発給で、トータル最大3年しか滞在出来ないことになりました。
永住権申請ではないのに英語力証明必須へ
また今回、Skill level4もしくは5でAEWVを申請する場合には、IELTS 4相当の英語力の提出が必要という新しいビザルールが導入されました。(英語圏での学位を持っている場合などはこの規定は免除)ご存じだと思いますが、IELTSには大学入学用のAcademicと日常生活用のGeneralの2つのタイプがあります。AEWV申請の目的であれば、どちらのタイプも認められています。しかし、それぞれのレベルは「お兄さん」と「お爺さん」位異なるため、ビザ取得目的であれば簡単なGeneral受験で問題ありません。
Job checkにもメスが切り込まれる
Skill level 4と5に関連して、AEWVの申請条件だけでなく、Job checkの改正も発表されました。Labour market testの条件が厳格化され、掲載期間が14日間から21日間に延長、また、WINZとのやり取りも必須となりました。さらに、Job checkで応募してきたニュージーランド人を不採用とした理由の申告義務が生じます。
また、雇用主はSkill levelに関わらず申請者が仕事を遂行する上で適格であることを証明する義務が生じます。また、AEWV保持者が離職した場合、移民局に通告する義務も生じます。更にはEmployer accreditationの停止条件も拡大されただけでなく、週30時間以上の雇用を維持していない場合はAccreditationはく奪処分の対象になります。言い換えれば、AEWVの申請者だけでなく、Job checkを行う雇用主の責務等が増えるため、AEWVやJob checkの却下だけでなく、Accreditationをはく奪される雇用主の急増が予想されます。
また、雇用主はSkill levelに関わらず申請者が仕事を遂行する上で適格であることを証明する義務が生じます。また、AEWV保持者が離職した場合、移民局に通告する義務も生じます。更にはEmployer accreditationの停止条件も拡大されただけでなく、週30時間以上の雇用を維持していない場合はAccreditationはく奪処分の対象になります。言い換えれば、AEWVの申請者だけでなく、Job checkを行う雇用主の責務等が増えるため、AEWVやJob checkの却下だけでなく、Accreditationをはく奪される雇用主の急増が予想されます。
Skill levelに関わらず、全てのAEWV申請者に新条件が課される
またそれだけでなく、Skill level全てにも適用される改正も発表されました。それは、雇用主が求めている条件にかかわらず、最低でも3年間の関連職務経験もしくはLevel 4以上の学歴が必須になったことです。
Greenlist の職種リストに新たに加わった職種
以下の職種は新たにGreenlistに加わり、永住権が近くなります。
Straight to ResidenceAviation Engineer (Avionics, Aeronautical, Aerospace Engineer)Naval Architect (aka Marine Designer)ICT Database and Systems AdministratorMechanical Engineering TechnicianAircraft Maintenance Engineer Work to ResidenceCorrections Officerまた、今までWork to Residence枠だった高校教師ですが、5月よりStraight to Residenceに格上げが決定。2年間の職務経験を待たずに永住権を申請出来るようになりました。(アドバイザー向けメール、4月3日)
逆に、バスとトラックドライバーで4月7日以降に新たにAEWVを申請される方に関しては、Transport Work to Residence Visaを申請出来ないことになりました。
Straight to ResidenceAviation Engineer (Avionics, Aeronautical, Aerospace Engineer)Naval Architect (aka Marine Designer)ICT Database and Systems AdministratorMechanical Engineering TechnicianAircraft Maintenance Engineer Work to ResidenceCorrections Officerまた、今までWork to Residence枠だった高校教師ですが、5月よりStraight to Residenceに格上げが決定。2年間の職務経験を待たずに永住権を申請出来るようになりました。(アドバイザー向けメール、4月3日)
逆に、バスとトラックドライバーで4月7日以降に新たにAEWVを申請される方に関しては、Transport Work to Residence Visaを申請出来ないことになりました。
反対にGreenlist入りを見送られた職種
昨年9月の発表ではGreenlist入りが予定されていたのですが、以下の職種に関しては、今回見送られることになりました。
Paving Plant OperatorMetal FabricatorPressure WelderWelderFitter (General)Fitter and TurnerFitter-WelderMetal Machinist (First Class)Panel BeaterVehicle PainterRoad Roller Operator
Paving Plant OperatorMetal FabricatorPressure WelderWelderFitter (General)Fitter and TurnerFitter-WelderMetal Machinist (First Class)Panel BeaterVehicle PainterRoad Roller Operator
予定していたSector Agreement入りが取り止めになった職種
下の職に関してはConstruction and Infrastructure Sector Agreement入りが予定されていましたが、こちらも今回見送られることになりました。
Driller’s AssistantEarthmoving LabourerEarthmoving Plant Operator generalLinemarkerMachine Operators not elsewhere classifiedMechanic’s AssistantRoad Traffic Controllerこの決定により、これらの職種で雇用されている方々は、AEWVの発給特例措置を引き続き受けられないことになりました。
Driller’s AssistantEarthmoving LabourerEarthmoving Plant Operator generalLinemarkerMachine Operators not elsewhere classifiedMechanic’s AssistantRoad Traffic Controllerこの決定により、これらの職種で雇用されている方々は、AEWVの発給特例措置を引き続き受けられないことになりました。
移民政策は移民を優遇することではない
今回の改正によって、政府は移民に対して冷たいと感じる人もいるかもしれません。一部で「NZは多様性を大事にするから他国よりも移民政策が優しい」と幻想を持たれている方がいるかもしれませんが、政府の仕事は移民の権利を優遇することではありません。移民法は国益と個人の権利のバランスを取りながら移住を管理することを目的としていると同法第3条に規定されています。従って、「国益」に応じて、移民ポリシーは常に変化していくものです。実際に、アドバイザーをしながら、国益が優先されるがあまり、移民の権利が大幅に制限されていると感じる場面にもしばしばあります。個人的には、今回のビザルールの厳格化は、世論の反対によって緩和される可能性が高いと考えています。それほど物議を醸す大きなビザルール改正だからです。
本コラムは一般的なビザ、移民法等の情報提供で、法的助言を目的としていません。執筆者及び弊社は、本コラムの内容等に起因する損害について、一切の責任を負わないものとします。今回の改正は各種細かな条件があることをご承知おき下さい。この免責事項も含めて内容の無断転載及び改変を禁止します。法的アドバイス(有料)やビザの申請代行をご希望で「ビザ取得に本気の方」のみ対応させて頂いております。(執筆日4月8日)
本コラムは一般的なビザ、移民法等の情報提供で、法的助言を目的としていません。執筆者及び弊社は、本コラムの内容等に起因する損害について、一切の責任を負わないものとします。今回の改正は各種細かな条件があることをご承知おき下さい。この免責事項も含めて内容の無断転載及び改変を禁止します。法的アドバイス(有料)やビザの申請代行をご希望で「ビザ取得に本気の方」のみ対応させて頂いております。(執筆日4月8日)
このコラムは、NZ Daisuki.comにも掲載されました。 https://nzdaisuki.com/column/nzvisa-info-by-nzvp/article-99
執筆者
Aki Yamasaki (ニュージーランドビザ申請代行センター代表およびNZ政府公認移民アドバイザー) ニュージーランドに移住して24年。TOEIC満点、英検1級取得。4か国14学位取得。移民法最高学位GDNZIA取得。雇用法、ビジネス法、商法も大学で学ぶ。NZ国家資格者である移民(ビザ)アドバイザー(ライセンス番号201701307)自身の申請経験をきっかけに、ビザ申請者の気持ちが分かる熱血派の移民法専門家になる。移民法、ビザルールに関する法的助言提供、ビザ申請代行、移民局との交渉、面接同席、弁論書作成だけでなく、単独で移民保護裁判所の法定代理人にもなれるフルライセンスアドバイザーであり、案件を最初から最後まで担当。緊急時は時間外も対応。却下決定をも覆し、不法滞在、申請却下歴、入国拒否歴、警告があるケースや弁護士でも却下されたケースさえも成功に持ち込む。法律知識、分析力、移民局への弁論書に定評があり、多数の感謝状を頂く。(審査官からも称賛を得る)弊社で申請代行可能か無料査定中。質問への回答を含む法律相談は有料(ご相談後2週間以内に申請代行サービスにお申込み頂いた場合は、相談料を相殺)。本気でビザを取得したい方のみの限定受任。法的助言や弁論書作成、移民局とのやり取りを含む申請代行または契約前の有料相談のお申込はフォームへご記入後送信下さい。NZ国内外オンライン対応。電話番号(NZ) 03 669 0110 (日本)050 5539 0585 (お電話は有料相談や申請代行についてのお問合せのみ)平日NZ時間9時から19時まで(月曜から金曜) info@nzvisapartner.com
Aki Yamasaki (ニュージーランドビザ申請代行センター代表およびNZ政府公認移民アドバイザー) ニュージーランドに移住して24年。TOEIC満点、英検1級取得。4か国14学位取得。移民法最高学位GDNZIA取得。雇用法、ビジネス法、商法も大学で学ぶ。NZ国家資格者である移民(ビザ)アドバイザー(ライセンス番号201701307)自身の申請経験をきっかけに、ビザ申請者の気持ちが分かる熱血派の移民法専門家になる。移民法、ビザルールに関する法的助言提供、ビザ申請代行、移民局との交渉、面接同席、弁論書作成だけでなく、単独で移民保護裁判所の法定代理人にもなれるフルライセンスアドバイザーであり、案件を最初から最後まで担当。緊急時は時間外も対応。却下決定をも覆し、不法滞在、申請却下歴、入国拒否歴、警告があるケースや弁護士でも却下されたケースさえも成功に持ち込む。法律知識、分析力、移民局への弁論書に定評があり、多数の感謝状を頂く。(審査官からも称賛を得る)弊社で申請代行可能か無料査定中。質問への回答を含む法律相談は有料(ご相談後2週間以内に申請代行サービスにお申込み頂いた場合は、相談料を相殺)。本気でビザを取得したい方のみの限定受任。法的助言や弁論書作成、移民局とのやり取りを含む申請代行または契約前の有料相談のお申込はフォームへご記入後送信下さい。NZ国内外オンライン対応。電話番号(NZ) 03 669 0110 (日本)050 5539 0585 (お電話は有料相談や申請代行についてのお問合せのみ)平日NZ時間9時から19時まで(月曜から金曜) info@nzvisapartner.com